帳簿整理の重要性と経営分析

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㈱ビジコン 久保田です。

前回に引き続き、お客様よりよく相談されるお話、今回は「帳簿整理」です。
日々の業務に追われ、後回しになってしまうのが「領収書などの整理」
申告までになんとかしようと思って、なかなか整理ができない方が多いようです。

でも、それってもったいないですよ!
なんで?と思いますよね?では、簡単に説明したいと思います。

 

1.領収書の整理をやってみよう!

まず、手元にある売上伝票や領収書を下記の順番で分けていきます。

①売上高
②仕入高
③人件費
④経費

分けたら、下記の数式で⑤の数字を出してください。

①-(②+③+④)=⑤

さて、⑤とはどのような数字でしょうか?

⑤は皆さんお分かりの通り、利益(損失)になります。

・事業がうまくいっているのか?
・売上高に対して仕入高はいくらなのか?
・売上高に対して人件費・経費(売上原価)はいくらなのか?
・利益は出ているのか?

など、資料を整理しながら実際の数字を確認すると、考えていた数字と実際の数字が違う!となるのはよくあること。
だからこそ、経理資料の整理って経営するためにはとても大事なことなのです。

 

2.簡単な分析をしてみよう!

1の計算で実際の数字が見えてくると、事業で常に意識したい数字が見えてきます。

例えば

⑴ 売上高(商品の価格)に対して仕入高はどれくらいなのか?
⑵ 仕入高以外にかかる人件費・経費(売上原価)はどれくらいなのか?

まず、ここで分かるのは「原価率」「利益率」です。

 原価率=②仕入高÷①売上高  利益率=100-原価率

原価率は提供する商品またはサービスの価格設定を考えるうえで重要な数字になります。

原価率を下げる事だけにこだわれば、お客様が必要とする商品またはサービスに繋がるのか疑問に感じますし、逆に原価率が高ければ経営は難しくなります。

また、②仕入高に③人件費や④経費(売上原価)を追加して原価率を計算すれば、さらに経営分析するための必要な数字が見えてくるでしょう。

 

3.未来の数字を予想してみよう!

1.2.で説明した数字が分かってくると、未来の数字を予想することもできます。

例えば、お昼だけ営業する飲食店があるとします。
今後は、営業時間を延長して夜も営業したいと考えています。
営業時間が長くなれば当然のことながら、仕入高、人件費、経費は増加します。
では、売上目標はいくらにするのか? 一緒に考えてみましょう。

現在:売上300万 仕入高100万 人件費50万 経費30万
原価率:(100+50+30)÷300=0.6 60%  利益率:40%

営業時間を延長した場合(予想①):売上500万 仕入高、人件費、経費は倍になる予想とします。
原価率:(200+100+60)÷500=0.72 72% 利益率:28%

この予想なら、昼間だけの営業の方が利益率が高いので、営業時間を長くする必要があるのか考え直す必要があります。
では理想的な数字は?

営業時間を延長した場合(予想②):売上700万 仕入高、人件費、経費は倍になる予想とします。
原価率:(200+100+60)÷700=0.51 51% 利益率:49%

この予想なら、営業時間を延長することで現在より多くの利益が見込まれると予想できます。

目標とする数字が出れば、夜の営業用に新メニューを考えたり、仕入方法を見直したり、資金調達など資金繰りも考える事ができます。

 

4.まとめ

いかがでしたか?
日頃から売上、仕入、人件費などおおまかな数字を確認しておくだけで、ここまでの管理、分析ができるのです。

経理とは「経営管理」のこと。
専門知識がなくともある程度の「経営管理」はできるはず。

皆さんも書類整理を嫌がらず、月に一日だけでもいいので
経理業務を行う日を作ってみてはいかがでしょうか?

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